フェンスにしがみ付いていた手を離し、恭の隣に同じ様にしゃがむ。
背をつけて空を仰ぐと、雲がかかった薄い青空が広がってた。
そのまま深呼吸をし、そっと目を閉じる。
心地いい風が、全身を包み込む様に気分が少し楽で意識が遠のいでしまった。
…
どれくらい時間が過ぎてたのかなんて分んなかった。
不意に目を開けた時には辺りは既に薄暗く、一瞬焦ってしまった。
ドクンと跳ね上げる心臓とともに、左肩に違和感を覚える。
その肩に視線を向けると、あたしの肩に寄り掛って眠っている恭の姿があった。
「…えっ、ちょっ…」
思わずビックリしたあたしは右手で恭の頭を遠慮気味に押す。
熟睡している所為か、全ての体重が圧し掛かっているみたいに重く、動こうともしなかった。
…どうしよう。
ってか、いつから?
あたしも寝てたわけ?
違うと言いたい所だけど、辺りが薄暗い所為で眠っていたのと気付かされる。
…なに、やってんの、あたし。