自分の部屋に入って、ベッドに鞄を投げ捨てたと同時に倒れ込む。

窓に当たる雨粒がパチパチと音を響かせる。

その光景を見つめながら、あたしは真上にある鞄を胸元まで引っ張った。


そこから取り出すスマホ。


久しぶりに入れる電源に一息吐く。


画面が明るくなると同時に目に付いたLINEの件数。

途中から切れている不在とは違って、LINEは今朝まで続いてる。

それを見ながら、今日の出来事をふと…思い出してた。


素っ気なく帰ってしまったあたしに、お節介な美奈子は心配してるに決まってる。

アオはきっと、毎度の事だから得に気にはしてないはず。

明日にはきっと、いつも通りで普通なんだろうと思った。


…にしても、言い過ぎたって今更ながらに思う自分に正直呆れてしまった。


とりあえず。

美奈子にLINEを送る指先が自棄に震える。



“ごめん…”



ぶっきらぼうとしか思えない程の素っ気ないメッセージ。

何が良くて、何が悪いのか、分からないわけでもない。


アオには…どうしようと思った時だった。

手に持つスマホが勢いよく震えだし、思わずスマホを落としそうになる。



…アオ。



運が悪いのか良いかよく分からないタイミング。