「…若菜ちゃんっ!!」


背後にもう一度美奈子の叫ぶ声が飛びかかる。

だけど、無視して歩いたその先。


アオの姿に思わずため息を吐き捨てた。


「言い過ぎだろ」


そう言ってくるアオもあたしを見てため息を吐き捨てる。


「ほっといてよ」

「じゃあ、そう思うのなら、何でお前は美奈子ちゃんを助けた訳?」

「別に助けてないよ、ただムカついただけ」

「あんな仲良くしようとしてんのに避けんなよ。裏切んなよ」


そう言ったアオは何だか面倒くさそうで。


「マジなんなのよ!アオが一番良く分かってんじゃん!!裏切られたのはあたしでしょ!?それは一番アオが分かってんじゃん!!なのに何でっ、」

「だから俺は…」

「アオだって、何なのよ!なんであんな女達とつるんでる訳?それこそ分んないよ!」

「つるんでなんかいねぇし」

「アオがこーやって話すからあたしアイツらの敵じゃん!言われたい放題じゃん―――…」

「わ、若菜ちゃんっ!蒼斗くんは―――…」

「いいから」


突然入って来た美奈子の言葉はアオに止められ、美奈子は少し表情を崩す。

こんな所でムキになるあたしもあたしだ。


ゴメンって、分っていても感情が言う事を聞かない。