次の朝。
今から空が明るくなり始めるころ、あたしは自棄に焦っていた。
昨日帰ってきてそのままの鞄。
その中に確かに入れていたがスマホが見当たらなくて。
鞄の中見を全部ぶちまけて探してもスマホは見当たらず、嫌な衝動に襲われた。
「…何でっ、」
昨日帰ってすぐに即効お風呂に入って寝たから、スマホにさえ触れてはない。
昨日の出来事を思い出そうにもしたけど、半分記憶がない。
家の電話から掛けて見ても鳴ってる音は聞えもしない。
「もーっ、最悪」
フーっと息を吐き捨てた時、ふと思い出した昨日の記憶。
だからあたしはまだ朝日が昇りきってない早朝に急いで昨日いたビルに向かった。
荒れた息とともに屋上の隅から隅まで探す。
なのに探してるスマホはどこにもなかった。
「…なんでないのよっ、」
もしかすると、昨日ここにいたあの人なら知ってるかも知れない。
でも、だけど名前も知らないし、探す手段すらない。
別にあたしにとったらスマホなんてそれほど大切なもんじゃない。
掛ける相手だって、いないし得に掛って来るわけでもない。
だけど、さすがになくしちゃ困る。