「そんでついでにアイツの前で抱かせてね」


ニコっと微笑むセナさんに目が見開く。


「えっ、だ、抱かせてね…とは?」


声を乱しながら言うあたしの隣で麗美さんも同じく口を開けたまま目を見開いてた。


「つか勘違いすんなよ!抱くっつーのはセックスじゃなくてハグだかんな」

「ちょっ!!そんな事くらい分かるわよ!!」


また麗美さんが突っ込んだ声にセナさんはクスクス笑った。


そんな事して何になるんだろうか。

むしろ、やっぱし恭の顔は見たくない。


あの日…

恭を引っぱたいてから会ってないんだから。


あんな事言われたら、もう会いたくなんてないよ。


でも、気になってるあたしって何なんだろうと、思う。


その後なんでかしんないけど麗美さんとセナさんで話しは進み、勝手に日にちまで決められた。

やっぱ思ってた通り、セナさんはホストで、そのセナさんが休みの日にする事に決まった。


恭とセナさんは地元で後輩、先輩と言う関係で、何故か同級生よりも仲が良かったらしい。


でも、そんなんで恭は振りむくんだろうか。

むしろ、振りむいてもらっても、あたしに的に困ると言う変な感情に包まれていた。