「何回か一緒に歩いてたっしょ？見たから」
そう言われた事に何故か息を飲み込んだ。
そー言えば、アオが言ってたっけ？
あたしと恭が歩いている所を祥人くんが見たって…
「仲いいって言うか…」
思わず口が閉じてしまう。
祥人くんからしたら、じゃあ何？って感じだけど、その続きをどー言ったらいいのかなんて分んなかった。
だって、あたしと恭って一体なに？
むしろあたしが一方的に好きになっただけ。
でも、今は違うの。
今は、どーしていいのか分かんない。
会わない方がいいって分かってるけど…
「じゃ、なに？好きって…？」
「……」
もー、ほんと。
痛い所をついてくる祥人くんに、小さくため息を吐き出してしまった。
ほんと、どうしよう…
「アオから聞いたと思うけど、恭さんは辞めた方がいいよ」
また変な忠告だ。
そんなの分かってる。
係わんないほうがいいって事は分かってる。
恭と一緒に居たらロクな事ないって事も分かってる。
みんな、みんな。
女達は恭狙いだから…
だからあたしが不幸になるだけ…
そんなの、分かってるよ。
