「で、アオの事だっけ?」

「うん」

「辞めてはねーよ」

「え?」

「だから学校」

「そ、そーなの?でも皆が辞めたって…」

「うーん…まぁ状況が良くなかったらそーなるのかもね」


スラっとそー言った祥人くんはコーラのプルタブを開け、口に含んでいく。


「どー言う事?」

「アオの親父が倒れたって、」

「え?アオのお父さんが?」

「で、暫く働けねーからそのかわりっつーか。けどアオは辞めよっかなって、学校…」

「……」

「あー、つかさ。これ若菜ちゃんには言うなって言われてんだよな」


祥人くんは苦笑い気味であたしをチラリと見る。


「…じゃ、なんであたしに言ったの?」

「だって若菜ちゃんが聞くからでしょ?」

「そーだけど…でも、」

「つか、アイツは若菜ちゃんの事、心配してたけど」

「…うん」

「若菜ちゃんってさ、恭さんと仲いいの?」

「えっ!?」


突然そう言ってきた祥人くんに思わず声が裏返った。