あの日からどれくらい経ったのだろうか。
外の空気を吸うのが久しぶりで新鮮な気持ちになった。
制服を着るのは3週間ぶりだろうか。
いや、1カ月は経つだろうか。
あれ以来、アオはあたしの家に訪れる事もなければ電話さえしてこなかった。
美奈子は毎日の様に電話をしてきたけれど、その半分以上は出てない。
だからと言って、あたしに気を使っているのか家まで訪れては来なかった。
…恭は、
アオと同じくあの日から会って居なくて、電話も一回もなかった。
だからなんとなく、もうあのビルには行けない様な気がした。
会って、何を話したらいいのか分からないし、恭を見ると苦しくなるような気がした。
そして恭も、あたしなんかと会いたくないだろう…
朝の空気に誘われる様に、重い足が学校へ向かっていく。
別に行きたい訳じゃない。
ただ母がうるさいだけ。
だから辞めてやろうかとも思った。
でも、そうしちゃうとダメな様な気がした。
それは――…
「…若菜ちゃんっ、」
目の前で大きく笑顔で手を振っている美奈子だっりもする。