真っ白な天井が歪んで見える。
何時間ぶりに冴えない気分のままボンヤリと目を開けると、視界が半分遮られたような感覚だった。
目を擦りながら上半身を起こすと、カーテンの隙間から見える光が朝を教えてくれる。
ベッドから足を滑らせトンと床に付き、その先に見える蒼斗(あおと)に一息吐いた。
まだ起きそうにもないアオはスヤスヤと寝息を立てて眠っている。
…時刻はAM9:10。
もうとっくに一時間目は始まっている時間。
なのに、あたしは得に慌てる事もなく部屋を出た。
バタバタ音を立てることなく、ゆっくりと足を進める。
まるで足音が聞こえないようにと、洗面所まで向かう。
だって。
ここはあたしの家じゃないから。
…アオの家。