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保健室の前までくると、やっぱり緊張してきた。


そー、っとドアを開ければ、カーテンの向こうに誰かがいるのが確認できた。


シャアッ、と結構心地良い音がするカーテンを開ければ。


ひどく怯えた顔をする栞がいた。



「らいっ…」


抱き締めて、というように細い腕を俺の方へ伸ばしてきた。


そんなこと今までなかったから、すごい嬉しくて、たぶん一番力を込めて抱き締めた。