陸斗side






たぶん皆は今、俺が詩音に抱きついたと思っただろう。



だが…、





「…っ///!し、詩音?」



抱きついてきたのは詩音。





ちょっと冷静を装いながら、そう言うと、




「うぅ…、今は離れて欲しくないですぅ…。」




詩音を見ると、カーテンから塞ぎきれなかった光が詩音を照らしていて…、
涙目で俺を見てくる詩音に、正直理性がまずくなった…。




「…っ///」





この時俺は、確実に思ったんだ。

















詩音が、好きだ…。











「あ!もうすぐ出口です!早く行きましょう‼」






俺から離れて、今度はぐいぐい服の裾を引っ張る詩音。




そんな焦っている姿が可愛くて…、




「ふっ、あぁ。」




俺は笑ったんだ。