『俺とお前の名前って、何か似てるな。』

最初の席替えで、隣になったとき、楓は言った。

『どういうこと?』

『ほら、名前自体は綺麗なんだよな。けれど・・・』

そのあと、楓は理由を説明した。
私は、そうかも、と同意をして、口角を少し上げた。

それから、楓とは少しだけ、仲がよくなった。と、思う。

実際、最近話しかけれるのは楓だけだ。
少し、少しだけ、空しい。





それから、当たり障りのない会話をして、担任の先生が教室に入ってきた。




「起立 服装を正してください……礼」

「「おねがいしあーす」」

「はい、座ってください」

「「しつれいしやーす」」

声は出ているけれど、やる気のない一時間目のあいさつを終え、私は席に着いた。
一時間目は、社会、歴史だ。
そういえば、何かのマンガか何かで、
社会の授業は洗脳だ、って主張してたな。

「昨日は…そうか、ここからか。」

国語とか、数学は、先生の間違いに気付けるけれど、

「この地球は2度、生物の絶滅が起こった。」

社会だけは、教科書の内容と、先生の話からしか情報を得られない。

「2度目の絶滅は、当時、ホモ・サピエンス…ヒトだな。が無い知恵を絞り、後先考えずに、文明を発展させたがために、絶滅した。」

社会だけは、国内であれば、嘘でも良い。

「せんせぇー。何で絶滅したってわかるんですかぁー」

「良い質問だ。それはな、比較的地球自体は綺麗な状態で、生物のみが絶滅したため、書物や機械などは、良好な状態で発見されたんだ。」