人間界ができて後に神によりできた世界、天上界…



そこに住む人間は地上に住む人間とあまり変わりなく、唯一違う所といえば、天上界の人間は常に額に金の輪のようなものを着けている。




しかし、違いはそれだけであり、暮らし方などは人間界の暮らしと変わらない…。




そんな世界に、あるひとりの少年がいた。





彼の名はアイレン・フェスト…





天上界に住む、ごく普通の少年だ。



銀色の髪に、動きやすそうな白っぽい服を着ている18歳の少年だ。わりと生地が良さそうな服を着ている。




しかし、彼はまわりの人間と違うところがあった。






彼には天使の羽があった。



でもいつでも好きな時に出したり閉まったりできるので、別に生活に困ったことはない。




「アイレン、どこ行かれます?」


「ああ、近くまで散歩でも行ってくるよ」



アイレンは母親にそう言い、家を出るとその辺の道をぶらぶらと歩いた。






「今日は天気がいいなぁ…」


アイレンは太陽を眩しそうに見る。




すると…





「アイレン・フェスト…」



どこからか自分を呼ぶ声がした。




「何だ?」



アイレンが目の前を見ると杖を持った長いグレーの髪をした女がこちらを向いて立っている。



「アイレン…」



女はこちらへ向かって歩いてくる。



「あの…誰ですか?」


「アイレン、私と一緒に…世界を助けてほしいの…」


「え?」


「…あ…突然ごめんなさい…私はユリナ・ウィスディ、人間界から来たの…今ふたつの世界は壊されようとしている…」


ユリナはアイレンを見る。