「……ニコラ…なんだったんだ?さっきのニコラ…すごく優しそうな顔してた…」


「そうなの?エーゼル」


「ああ…」


「ん?あんたらここからどこに向かう?」


「え?」


そこにいたのは馬車に乗った男。


「ミラトに行くなら乗せてってやろうか?」


「え?乗せてってくれるのか?」


「ああいいよ、さ、乗ってきな」


「ありがとう、おーいみんな!乗ってこうぜ〜」








馬車の荷台でユリナはアイレンに話す。


「ミラトはクラビートの次に都会と呼ばれるような町なの、この世界のあちこちから集めた本が保存されてる図書館もあるのよ」


「へぇ〜いいなぁ」


「ねえアイレン、この旅にも 慣れた?」


「え?ああ…まあね」


「よかった」


「ユリナは…どうして聖術師になったんだ?」


突然アイレンは話を変える。


「聖術師ってのはなりたくてなるものではないの…生まれる前からこの子は聖術師って決まってるみたい」