するとユリナはエーゼルに水筒を渡す。


「自分で飲んで下さいね」


と笑いながらユリナは言った。


「…はい…」


「お!あそこで砂漠終わりだ!」


「マジでぇ?!」


「そうね、そこをもう少し歩けばミラトに着くわ」


「分かった!」


エーゼルはそう言うと走り出す。


―子供みてぇだ―



アイレンはそんなことを思っていた。









アイレン達が砂漠を出るとエーゼルは大の字になってうつぶせに倒れていた。


「やっぱこうなることは見えていたよ」


ニコラはエーゼルを上半身だけ軽く起こし、自分の水を飲ませる。


「え?ニコラいいのか?エーゼルにそんなことして…また後でなんだかんだ言うんじゃ…」


「今まではウダウダ言いながらも歩けたじゃん、今はもう動けないわけだし…」

「…ぅ……」


「あ、目覚めたみたいだね」

「ニ…コラ?」


「起きた?起きたね!じゃあ行こう!」


ニコラはエーゼルを無理矢理立たせ、歩き始める。