「…レン……ア…イレン……アイレン!朝よ!」


「………ぅえ…?」



目を開けると、ユリナがこちらを見ている。


「え?!もう朝?!さっき寝たばかりの気がするんだけど…」


起き上がるとニコラがアイレンに料理を差し出す。


「はい、朝食」


「えぇ?!みんな起きてる…」


「寝てんのお前だけだぞ?アイレン」


「…そう…だったのか…」


アイレンはまだボーッとしながらも朝食を口にする。


「ねえユリナ、この砂漠抜けるとミラトっていう町があるんだ、そこにはウィダルの伝説がいっぱいあるんだよ、行く?」


「ええ、行ってみたいわね」

「ん?…行くのか?…てかウィダルって誰?」


「ウィダルは昔魔王の力を沈めた勇者なの…神に近い存在…」


「…勇者?そいつ、今は生きてないのか?」


「分からない…生きてると思うけど…どこにいるか…」