ユリナははぐれないように相手の手をしっかりと握っていた。





やがて砂ぼこりがおさまり、辺りがよく見えてきた。


「ふぅ……え?アイレン?」

「ユリナ?!」


なんと手をつないでいた相手はアイレンだった。


「あ…えと…ありがとう…助かったわ…ニコラ達は?」



「あたしらはここにいるよ」


ニコラとエーゼルはふたりの背後に立っていた。


よく見るとニコラがエーゼルの服を掴んでる。


「あたしはこんなの慣れてるけどこいつは初めてだからね、掴まえてないと何するか…」


「ぶわ…口の中に砂が入った!!しかも体のあちこちがざらざらする!」


「ほらね、こんなんじゃさっきの砂ぼこりで慌ててどっか行っちゃうでしょ?」


「そうだな」


「おいおい!納得するなよ!あ!オアシスだ!」


エーゼルはオアシスを見つけると真っ先に走る。


「あ!ちょっと!」


アイレン達は彼を追う。