クラビートはおしゃれな店、家がたくさんある賑やかな町だ。
「すげぇ…ニコラってこんな所に住んでんのか?」
「うん、そうだよ…元々は家もぼろぼろで貧乏暮らししてたところををある奴にここに連れて来られたって言えばいいかな?」
「ある奴って、どんな方?」
「…知らない方がいいよ」
「ここだ」
「ひゃあ〜すげぇ」
ニコラの家は大きく、綺麗で一言で言えば超豪邸だった。
「ニコラこんな所で暮らしてるのか?」
「まあね、居候みたいなもんだけど」
「おいおい、居候ではないだろう?」
「?!」
どこからか声が聞こえ、ふと横を見ると長い黒髪の青年がいた。
20歳くらいで、紺色のコートのような服を着ている。背はアイレンよりも高い。
「あらエーゼル、元気してた?」
彼の横にいかにも貴族そうな女性が通り、彼に手を振る。
「おおミリー、久しぶりだな!前より美しくなったんじゃないのか?」
「やだ、エーゼルったら」
ミリーと呼ばれた女性はそう言いながら去って行く。