「え?どうして?だって世界が救われるならいいじゃない」


「いや…だから」


「嘘、本当は怖い…」


「……………」


「本当は怖い…だって…私消えるのよ…この世からいなくなっちゃうのよ」


「ユリナ」


「…ねえアイレン、私が消える寸前に言ってほしいことがあるの」


「ん?」


ユリナは微笑みながらをじっと見る。


「"愛してる"って言ってほしいの、たとえ私にそんな感情がなくてもいい、そう言ってくれただけで…私…安心して消えることできるから」


「…いいよ、言うよ」


「…ありがとう」












「…ユリナ…消えるのか」


夜、ベッドの中でアイレンは憂鬱な気持ちでいた。









朝、玄関でユリナはラミカの手を握る。


「おばあちゃん、私…行ってくるから」


「…いつでも待ってるからね」