『~♪~~♪~♪~♪』

『…~♪~♪♪~』


「……ねぇ、裕静」


「んあ?なんだよ」


「ケータイが五月蝿いんだけど」


「…ほっとけ」


『~♪♪~♪~♪~』


「五月蝿いんだけどっ!?」


「…………」



寝るなっ!!

あー、まだ鳴ってやがる。


……ちくしょう!


――ブチッ



「誰?五月蝿いんだけど」


『…あんたこそ、誰よ?!リイは裕っちに話があるのっ!』


やっぱり女か。

『裕っち』って……、センスのないあだ名つけて…
しかも、自分のこと『リイ』って。

バカ丸出し。


「私ですか?あなたに話す価値もありませんよ。あと、このどーしよもない男なんか、止めといた方がいいと思いますよ」


『五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い!!どーせあんた何かすぐに別れちゃうんだからっ!!あんたも浮気相手よっ!!』


『あんたもっ』って……。

浮気相手だったんだね。


これだからバカは……。



「…お言葉ですが、私はあんなバカと付き合って無いんで」


『ならなんで、裕っちのケータイもってんのよっ!!』


……めんどくさ……。

「…晩御飯食べにたきただけです。…これ以上話すことは無いんで、さようなら」


『あっ!!ちょっと待ち――』


――ブチッ



これだから、自意識過剰のバカ丸出しの女って嫌いなのよ。