そうしているうちにバイトが終わる時間が来た



隼人は席を動く気配がない



客席にはもう隼人しかいなかった



「冴木、もう帰る時間・・・・」



私服に着替えた高橋が言って来た



「先に帰ってて」



「え?昨日、一緒に帰る約束したのに」



「じゃあ、お店の前で待ってて、すぐ行くから」



「ああ、分かった、早くしろよ」



高橋が喫茶店を出た時、私は隼人の所に行った



「ねえ、隼人」



「・・・何?」



冷たい口調



目線を本に向けたままで




「今日、早かったんだね」



「ああ」



怒ってる・・・・隼人