帰り道、声をかけられた。


あの人に。


「はい、これ。今日のお詫び」


校門を通ったとき、差し出した彼の手には、真っ赤なりんご。


「あ。俺、1組の椎名春斗。」


…知ってます。


と、心の中で答えて。