「…み、みなみっ!」

目を開けるとお母さんとお父さんが覗きこんでいた。

「ここは…?」

「病院よ。可哀相に何にも覚えていないのね…」

お母さんはそう言うと泣き出してしまった。

「…みなみ、お前は修学旅行のバスで事故にあったんだ」

「事故?」

「そうだ。カーブしきれなかったバスがガードレールを乗り越えて、海に転落したんだ」

「…そうだ!亮くん、戸田亮くんは?」

「戸田くんなら、隣の病室にいるわよ」

私は立ち上がると、隣の病室に走った。
親が止めるのも聞かずに…