「…待って!!」

プールサイドまで来て立ち止まった。

「私ッ…、亮くんと一緒にいたい。あゆちゃんとも…橘くんとも…」

「ダメだ」

「なんで…?」

「…後で分かるから」

「嫌だっ、嫌だよ!」

私が亮くんの手を振りほどこうとすると、抱きしめられた。

「亮くん…」

「ね、安心して。お前には幸せになってほしい。こっちの世界にいても、苦しいだけだ。」

「…」

私のことをゆっくりと離すと肩を軽く押した。

バランスを崩した私は水の中へ落ちていく。

「大好きだから…」

落ちていきながら見た光景−

クラスメイト達が泣きながら水の中を覗きこんでいて亮くんが悲しそうな笑顔を向けていた。

神様−、私は幸せ者でした