謝っていた。
ひたすら、俺の親に。
謝っていた。
泣きながら。
ずっと、ずっと―。




あぁ、思い出した。
幼馴染みの名前は
ゆうざき れん


漢字が思い出せない。
でも、確かれんだった。

触れない。
れんに触れない。

喋れない。
れんと喋れない。



俺は死んでる。
もうこいつらは俺のことなんざとっくの昔に忘れているかもしれない。



ぐるぐると視界が回ったかと思えば、俺はまた違うところにいた。


多分、教室なのだろう。


れんがいた。
殴られて蹴られて嘲笑われて。
自分に嘲笑って―れんがそこにいた。


なのに、俺は話しかけられない。
死んでる。
俺は大切な人をみんな残して独り、死んでる。


いじめ。
卑劣で不平等で居場所がなくて
何もかもがわからなくなる行為。


それがこの教室で、静かに行われていた。


あぁ、これかな。
俺がずっと引っ掛かってたことって。