俺が俺の肉体から魂が抜けたときは秋だった。

幼馴染みの家に行こうと歩いていた時。

歩道を突っ込んできた馬鹿デカいトラック。

つんざくような悲鳴。
俺は目をはち切れそうなくらいに丸く開けてたはずだ。

犯人は寝不足の上、飲酒運転の男だった。


丸く開けていたはずの目を閉じていく瞬間に見えたものは心配そうに俺を覗き込む人でも、トラックの運ちゃんでもなかった。

真っ青で雲なんてない秋晴れの空、俺が望んだ死に方だった。

意識をなくしたその後結局俺は救急車で運ばれ緊急手術。外科医の努力も甲斐なく俺は死んだ。

で、15にして命を落とした可哀想な男子高校生は闇と言う名の脳内から消えていった。