頭痛に頭を抱える。
すると、ベトリといや感触が手についた。
温かい、赤いもの。

腕や足、腹にも全て血がついている。
いや、出ている。
それを確かめた瞬間に俺の身体は傾いた。

バタリ、という音と共に俺の身体は床についた。
…倒れたのだ。

すると何に引っ張られるような感覚がして、誰かに呼ばれるような錯覚がして。

何処かへ流れて消えていく血をボーッと見ていたら、視界が霞はじめて、視界までもが真っ白になる。


俺は死んだはずなのに、と何処か冷静に頭の片隅で思う。

死んだはずなのに何故血がついている。
死んだはずなのに何故痛いのだ。

瞳がまた霞、今度は涙が零れているのがわかる。


俺は、もう死にたくない。
現実は好きだった。
嫌なことがありながらも生きることに執着していた。

死ぬのはこわい。
死んだら終わりじゃないんだ。
死んでからが始まりなんだ。