真っ白な部屋に戻り、最近のクラスの様子を見るために蜘蛛の巣にタッチする。

ざわつく教室に、驚愕している女子。笑っている男子と顔を伏せている男子。それに吐き気を必死に耐える女子。

バラバラな教室。
同じ事実を伝えられたくせに、同じ表情はしない。これが十人十色というものなのだろうか。

静かに事実を伝えた担任は1時限は自習だと伝え出ていった。

その場は一瞬、静寂に包まれる。ミンミンと煩い蝉以外、話す人は居なかった。

だが、誰かが呟いた小さい一言で言い合いが始まる。

お前が悪いんだ。
そう、いじめていた奴に吐き捨てていくクラスメイト。
言われた本人は無言だった。顔をあげず、ただクラスメイトが吐く言葉を受け止める。
いや、聞き流す。


その瞬間、俺は頭痛に襲われてしまい蜘蛛の巣から手を離してしまった。