あぁ、知っていたはずだ。
こんなことしたら、れんが哀しむことは知っていた…はずだ。
でも俺は、あいつに気づいてほしかった。
じゃなきゃ、俺は
俺は本当に―…
消えてしまう。
未練とかそんなのなしに、消えてしまう。
俺は、きっと彼処に行ったら生まれ変わる暇もなく。
消えてしまう。
そんなのは嫌だ。
いくら生まれ変われるとしても…。
俺は、
充城 朔弥ではなくなってしまう。
だから俺は…。
「さくや…っ?さくや、なの…ねぇ!!なんで…来たの」
俺は俺が消えないためにおれの自分勝手な考えて此処に来た。
こいつが、狂ってしまうことを知っていても。
俺は俺でいなくちゃだめなんだって
俺はれんの隣にいなきゃだめなんだって
きっとこうしなきゃ
このオルゴールで繋がった絆のように
またオルゴールを使わなきゃ
お互いの存在を確かめられなかったから。