イルルが詰め合わせた
ピーマンの袋の中身が
妙にカラフルだった。

赤とか黄色のピーマンが…いや、パプリカが
緑のピーマンと一緒に詰められている。

「イルル、ピーマンは緑のやつだけだ。」

「え?形いっしょじゃん。」

しかも妙に仕事が早いので
半分くらい詰め終わってる。

「赤いのと黄色いのはパプリカっていうの。」

「ぱぷりか?」

「食ったことない?」

「ない。」

これはイルル本人じゃなくて
ツキヨさんのほうに問題があるような。

「…ぽこぽんさん…。」

八百屋夫婦に見つめられる。

「キーコーエーナーイー!!」

その後
イルルを入口の椅子に座らせておくことになったのは
当然の成り行きだった。

コイツはカブとダイコンを一緒に並べかねないし
ネギとノビルだとか
ブロッコリーとカリフラワーだとか
きっと区別がつかない。

ううん、知らないけど絶対そう。