「母さん、唯子、少し席をはずしてくれ」 「えー、やだ!」 「…お願いします」 「仕方ないわねー」 おもしろそうに颯汰を見ると部屋から出ていった。 久しぶりに二人っきりになる。 「なんで急に来たんだ」 すぐに仕事に意識を戻してあたしにそう聞く。 「見てみたくって」 「それだけできたのか」 そう言いながら ゆっくりとあたしに目線を戻した。 もしかして。 「怒ってる?」 「別に」