「おい、紗香!」

「なによ、彼氏」

紗香は俺のことをなぜか「彼氏」と呼ぶ。
「ほんとに歩にはなんもないんだよな?」
「さあね」

いつもの答えが返ってきた。

「なんだよ、マジで。危ないこととか、また拉致とかじゃねぇよな!?」

俺は紗香を問い詰めた。

あの拉致事件、俺は死ぬほど心配した。

またあんなことになったら、俺はスペアメガねならぬスペア心臓を作らせる。