私…柏 美月(かしわ みつき)に残された時間があと1年だということを知ったのは16歳の時。小学校6年の時に私は事故にあった。外傷はほとんどなかったが事故の衝撃で私の心臓機能は低下した。それからというもの私は病院で毎日を過ごすことが多かった。ようやく少し落ち着きかけたと思えば私の残り時間は1年だった。私にっとては最悪な1年でもあり、また最高の1年でもあった。それはあなたに出会えたから…。




「美月。今日も入学式が終わったら病院行くんだよ。」



「うん。分かってる。さっちゃんも早くいかないと遅刻だよ。」



私の家は早くに両親を亡くし親戚の家で預かってもらっていたが高校の入学と共に双子の姉…柏 沙月(かしわ さつき)と二人で暮らし始めた。姉はとても優秀で県内でもトップクラスの高校に行けるのに私の病気のこともあってか私と同じ家から徒歩で行ける距離の近場の高校…晴丹高校に通うことにした。




一緒に家を出た私たちは、そのまま学校に向かった。



「じゃあ、美月。私行くけど大丈夫?」



「大丈夫だって。じゃあね。」



私たちはそれぞれのクラスの列へと向かい入学式が始まるのをまった。私のクラスはA組、姉はC組となった。私は入学式が始まるまでの時間を座って待ってることにした。



「ねぇ。」



ぼーっと待っていた私に突然前に座っていた女の子が話しかけてきた。



「どこから来たの?この辺の中学の人?」



「あ…いや高校からこっちに引っ越して来たんだ。」



「そうなんだー前はどこに住んでたの?」



「M市だよ。」



「珍しいね。M市からこっちに引っ越しいてくるって。」



「あ…前にこっちに住んでいたから。」



「そっか。あっごめん。私…坂野 里菜(さかの りな)っていうの。よろしくね。」



「柏 美月です。」



「美月って呼んでもいい?私の事は里菜でいいから。」



「あ、うん。こちらこそよろしくね。」



「美月って姉妹いる?」



「えっお姉ちゃんがいるけど…なんで知ってるの?」



「柏 沙月さんでしょ?だって今年の女子の新入生代表でしょ?」



「そうなの?知らなかった。里菜詳しいね。」



「あっ私、お兄ちゃんいてさここの生徒会長してるんだけどそれで新入生の名簿見てた時に今年の女子の新入生代表が沙月さんだって言ってたから。」



「里菜のお兄ちゃん生徒会長なんだー。」



「そうだよー。坂野 蓮(さかの れん)っていうんだー。」



里菜は人見知りな私にとても優しく接してくれた。里菜と話してる間に入学式が始まった。入学式が始まってすぐ生徒会長…里菜のお兄さんの挨拶が始まった。すらっと高い身長、黒い髪に、メガネというとても真面目な感じだった。里菜とは少し印象が違った。里菜は少し茶色がかかった髪に少し低めの身長だった。ただ一つ分かったことはとても美形兄妹だった。お兄さんが話している間も周りからは黄色い声がたくさん聞こえた。
入学式が終わると私たちは自分たちの教室に戻った。