「アイリーンが言うには、神の資格を持つ者として覚醒した者と同等の力を得られれば傍にいることができるそうです。そして、その力を得たのは王様だけだと聞いています」

 フィオーレの言葉にオラシオンは立ち上がった。

 フィオーレが口を閉ざす。オラシオンは後ろの机の抽斗を開けた。

「王様、その同等の力というのは…「これだ」

 オラシオンは抽斗から出した剣をフィオーレに見せた。

「それ…ですか?ただの剣にしか見えないのですが」

 オラシオンは剣を掌に叩きつけながらさっきまで座っていた席に戻った。

「これは、神の力を封印した力だ。これも、選ばれた者しか持つことを許されない。俺は王家の血を引いているから持つことを許されている」

 オラシオンは剣を振った。

 剣の真ん中に取り付けられた、神の力を秘めた白い石が光る。

「王家の者以外で持つことを許されるものもいる。…たとえば、オマエだ」