「オマエはどの村から来た?見たところ、ガトヤの者のようだが」

 フィオーレは俯いたまま口を開いた。

「ホッカ村です」

「ホッカ村?っていうと、この間襲撃されたあの村か。よく無事だったな」

 オラシオンは襲撃の生き残りであるフィオーレを驚きと賞賛の眼差しで見つめた。

「村にはまだ、数名の生き残った者たちがいます。私は、王様にあことを聞きたくてここに参りました」

「質問はまだ終わっていない。あのガブリエルという女。あの子とオマエは一緒にいたが、あの子もホッカ村出身なのか?」

 オラシオンの問いに、フィオーレの顔が曇った。

 訝しげに思ったオラシオンは

「何かあったのか?」

 と聞いた。