少年にまた値段がかけられ、彼は金貨六枚で買い取られた。
商人はまた檻へ戻って行き、次の奴隷の鎖を折から外すと丸い台まで連れてきた。
「次の子はイワク付きだが高級品だぞ」
商人はそう言って奴隷を台に乗せた。その途端、男の貴族から歓声が上がった。
ルークも思わず息を呑む。
奴隷とは思えないくらい、その子は綺麗だった。
金髪を腰まで伸ばし、青い丸い目。睫毛が長く、泥で汚れた色白の小顔。体格は華奢で、背も低い。
左腕は怪我でもしたのか包帯が巻かれていた。
「この子は記憶喪失だが、ホッカ村出身で人の何倍も仕事をしているからデキもいいぞ!」
貴族たちが大声で値段を叫ぶ。
「金貨三十枚!」
「いやいや四十枚だ!」
「四十五枚!」