よく晴れた空を見ながら、ガブリエルは鼻歌を歌っていた。

「ゆうべはよく眠れたか?」

 声をかけられ、ガブリエルは振り向く。

 そこには銀青の髪を束ねた男がいた。

 ガブリエルはコクッと頷く。

「そうか。よかった」

 銀青の髪の男は左右の目の色が違う。

 ガブリエルは不思議に思ったが、何も聞かなかった。

 今日より前に、自分が何をしていたのかをガブリエルは何も覚えていない。