フィオーレは、ガブリエルの言葉にハッとした。
「ガブリエル?オマエ、どうしちゃったんだよ?」
フィオーレはガブリエルを離し、顔を覗き込む。
彼女の顔には何の表情も浮かんでいなかった。
「俺だよ、オマエの兄のフィオーレ」
ガブリエルは首を傾げた。
「覚えてないのか?俺のことも?…「フィオーレ!」
デルモンテに怒鳴られ、フィオーレはガブリエルに質問するのをやめた。
「…刻印が変色したということはつまり、この子が覚醒したってことなんだ。この子に感情の激しい変化で刻印は確かに色を変えた」
「つまり、何なんだ…?」
フィオーレは答えを知ることが怖くて、でも知らなくちゃいけないと腹をくくって聞いた。
「つまり、この子はもう今までのガブリエルじゃないのよ」