反逆軍は、このファンタジーエン王国が建国されたときから存在していたと亡き父は言っていた。
オラシオンは立ち上がった。
「王様、どちらへ…?」
「どこへも行かない。ただ散歩をするだけだ」
オラシオンが答えると、ルークは「失礼しました」と頭を下げる。
「くれぐれも、ガトヤへは行かないようになさってくださいね」
「ここはムロヤだぞ?ガトヤまで歩きで行こうと思ったらどのくらいかかることか」
オラシオンはそれだけ言って部屋を出た。
自分のせいで、関係ない村が被害にあった。
その事実は重くオラシオンの胸にのしかかった。