籠に入っている服を洗い始めて数十分後、アイリーンが立ち上がった。

「じゃ、私は先に洗い終わった服を干してるから」

 よく見れば、他の作業仲間もいない。

 ガブリエルは自分の仕事の遅さに腹が立った。

 まだ洗い終わった服は半分にも達していない。

 ため息をついたガブリエルに

「その籠ね、皆のより少し大きいの!慌てて用意したから…ごめんね!」

 アイリーンは遠くからそう言った。

 ガブリエルはアイリーンの言葉が本当なのかわからなかったが、彼女の気遣いが嬉しかった。

 服を洗うことにもう一度専念していると、

「ガブリエル」

 声をかけられた。