オラシオンは頭を下げて謝罪した。

「まぁ良い。その辺の開いている場所に腰かけな」

 ローグはそう言って、埃をかぶった床を指さす。オラシオンはそこに座った。

「今日は何用だ」

 ローグが分厚い本を抱えてオラシオンの前に立つ。

 本の表紙は埃をかぶっているが、かろうじてタイトルと図柄が読み取れる。

 “神の子”というタイトル、そして神の力を持つ剣と初代の神のイメージ図。

「実は、俺が王妃として迎えた女は神の刻印を持っている」

 オラシオンの言葉に

「単刀直入だな」とローグは眉根に皺を寄せた。

「すまない。なるべく急いで王宮に帰りたいものだから」

 オラシオンは頭を下げた。

「オマエがこうも素直に謝罪するようになったのは王妃のおかげか」

 嬉しそうに言い、ローグは分厚い本を開けた。

「オマエは、四人目にして最後の神の子を捜しているんだろう?」