包帯を巻き直すと、ガブリエルは布団に潜りこんだ。
「…キスさせてくれないなら、体を渡してくれないならもういい」
オラシオンが言うと、ガブリエルは起き上がった。
そのか細い右腕をがしっと掴んでオラシオンはベッドに引きずり込む。
「その代り、添い寝しろ」
ガブリエルの顔に困惑の色が浮かんだ。
「添い寝…ですか?」
「そうだ。添い寝くらいいいだろ。逃げるなよ?」
オラシオンが念を押すと、ガブリエルは渋々オラシオンの傍に来た。
オラシオンはガブリエルの頭の下に腕を敷いて腕枕を作った。
「おやすみ…」
既に目を閉ざしたガブリエルにそっと囁いた。
ガブリエルを穢したくはなかったオラシオンだが、彼女は今まで道具として扱ってきた女と違う雰囲気を持っていた。
「…この気持ちは…なんだ?」