「じゃー、ちょっと待ってて」
家の前につくと 拓斗は綾を外で待たせ 自分の荷物を部屋に持っていった
彼が言うには 新一は家にいないらしい――
空の色は 淡い赤からずいぶんとかけ離れていた
夕焼けと夜空の狭間――
赤くなく 星がまったくない 淡い青色――
それに向かって 大きな溜息をついた
空に向けていた視線を 自分の帰り道の方に向けた
すると…――
『――…!』
最悪のシナリオだ――
1番恐れていた事が 起きてしまった
「――綾…」
綾の視界に飛び込んできたもの――
それは紛れもない――新一だった――