綾の視界に最初に飛び込んできたもの
それは 真っ白な天井だった
『…?』
ゆっくり起き上がろうとするが 目眩がする――
それと右足に 我慢できるが 歩くとなると困難なくらいの痛みがあった
「あ、目覚めた?」
赤縁眼鏡をし ショートヘアーの保健室の先生――
すると 先生の後ろからピョコッと顔をだす 拓斗
「水野―、あんたさっきね、階段から真っ逆さまだったんだよー」
『ふえ?』
「そんなあんたを、麻生がお姫様抱っこしてきてねっ」
先生は 拓斗に視線を送ると 急に笑い出した
「“先生!!!こいつ、死にませんよね!?”って――。たかが7階段目ぐらいから落ちたんじゃ、死なないよねーってっ★」
相当面白かったようで 腹を抱えて笑っている
それに比べて 頬杖を突きながら 顔を赤め ブスッとする拓斗――
――かわいい…
なんて思ってしまった――
「てか、水野。あんたその足でどうやって帰るの?」