☆
保険委員の綾は 健康診断の後片付けをしていた――
重たい机や 診断に使った医療器具などを大事に運んでいた
『あー…、おもいよー…』
綾は3段に積み重なっている医療器具を持って 保健室に向かっていた
カタカタと音を立てながら 運ばれる
今にも零れ落ちそうで 実に不安定
それに気づいた拓斗は 綾の手伝いをしようとしたんだ
「綾ー…!!!」
一瞬の出来事だった――
階段から足を踏み外して バランスを崩す 綾
拓斗もダッシュで綾を助けようとしたが 間に合わなかった…――
「――綾!!!」
――…たく…と?
頭の中がボーっとして なんだか目眩がする
そして 綾はプツリと気を失ってしまった――