――ぇ
「無理なら仕方ないけど…」
『い、行きます!行かせていただきます!!!』
「よかった。じゃー明日1時、前会った映画館の前で」
心が躍った――
新一からのデートのお誘いだ――
まだ耳に 彼の耳に残っている
――嬉しー…
あまりに突然のことで 声が出なかった
嬉しすぎて――
胸がいっぱいになっちゃって――
「綾―、よかったじゃん」
綾の髪の毛がグチャグチャになるくらい撫でる 千紗
彼女は自分のように喜んでくれた
綾も『うん…』と言いながら 幾度も頷いた
「よし。今日はアイスおごるぞ!!!」
『私、チョコミント!!!!!』
なんて盛り上がる 綾と千紗――
しかし…――
「俺の前で、男の話題すんじゃねーってば…」
1人 綾と新一のデートを喜べない人がいたんだ――