――――――――ブルルル…
綾の携帯が震えだす
画面には“麻生 新一”と――
『ち…ちぃちゃん!!!先輩から電話だ!!!!!』
嬉しさと緊張のあまり 席から立ち上がってしまった
「は、はやくでなよ!」
ゆっくりと 発信ボタンに指を伸ばす
そして…――
「もしもし、綾?」
数週間ぶりに聞いた 新一の声――
綾の胸の鼓動が 速くなった
今にも心臓が 口から飛び出しそうだ
『は、はい!綾ですっ』
「あのさー、明日学校休みだよね?」
携帯から溢れ出す 新一の声が 綾の頬を赤く染めてゆく
それだけなのに 彼女の心は 徐々に温度を増していた
「暇なら会えない?」