言葉を失った
目の前が真っ白になるような感覚に襲われる
恐る恐る顔を拓斗の方にあげる 綾
「あいつ彼女いるし、好きになったって無駄だよー」
ナ ニ ソ レ
「傷つきたくないなら、諦めるべきだと思うよ」
ナ ニ ソ レ
「新一もゾッコンだしなー」
ナ ン デ ソ ン ナ コ ト イ ウ ノ ?
「だから、あきらめ…!」
――教室に激しい音が 包み込んだ
綾がおもいっきり 鼻で笑う拓斗の頬を叩いたんだ
目にいっぱい涙を滲ませて――
鼻をすすって――
『…ぁ…たに……』
全身が震えるほど悔しかった――
けど それを吹き飛ばすような大声で…――
『あんたに…何がわかるの!!!!!!』