『あ…、麻生くん…』
ぐっすり寝ている彼を起こそうと 綾は体を揺すった
「――…ん」
寝起きだからだろうか?
いつも以上に酷い目付きをしている
――こ…怖!!!
彼は頭がガリガリとかいて 綾を見てきた
「…何?」
『あ…えーと…、その……ありがと!』
「何が…?」
『だから…、麻生くんが…お兄さんに私のこと伝えてくれたんでしょ…?』
「――…あぁ、だから新一のやつ、おまえのこと聞いてきたんだ――」
以外と低く だけど透き通った声――
よく見てみると 新一の瞳の色と全く一緒…
あの 吸い込まれるような 淡いブラウンの色だ――
――やっぱり…、兄弟なんだー…
なんて考えている綾に 拓斗は視線を向けた
「おまえ…、新一のことが好きなの?」
『ふぇ!?』
鋭い視線が 綾に刺さる――
あまりに真っ直ぐで 目が離せられない――
『いや…、それは……――』
綾は 俯いてしまった
恥ずかしいのと 緊張するので 頭がグチャグチャになる…
――なんで そんなこと聞くのぉ~!?
綾はさらに混乱していた
「まー、どーでもいいけど…」
『――…』
「好きならやめといた方がいーよ」
――――――――――ぇ