――ドキン…



信じられなかった





手放した人と 結ばれた気がしてたまらない


――先輩…

――先輩…




綾は 色っぽい桃色に頬を染めながら 縦に首を振った

そして 携帯の赤外線機能で 新一の携番が綾の携帯に入って行く――




――…


言葉にできないくらい 幸せだった













もう1度 “新一に手が届くんじゃないか?”なんて期待しちゃって…




無理だとわかっていても 思っちゃうんだ

新一がこんな期待させることをするから――







「じゃ、気をつけて帰ってね」


『あ、あの!』




細く柔らかい髪を揺らし 新一は振り向いた








『今日…なんで私を?』



よく考えてみると 喫茶店で話しただけで なにもしていない

はっきり言って 新一がなんで呼び出したのかがわからなかった






すると 口をイの形にして――





「なんかぁ…無償に、綾に会いたかったんだよねー」



――トクン…





胸の中が とろけるかと思った

この2年間のなかで 1番嬉しかった言葉だった




それに こと言葉で あることが頭に過ぎった





それは…――









































“もう1度、先輩に恋をしていいの?”